10月27日(土)に介護の魅力フェアを開催しました。今年で4回目の開催となります。毎年、たくさんの地域の方々に来ていただいていおります。
13時からの地域公開講座では地域住民など約120名の方々が聴講されました。社会福祉法人北海長生会 北広島団地地域サポートセンターともに 管理課長の向山篤氏を講師にお招きし、「地域まるごと『共生』のまちづくり」について講演していただきました。
特に高齢化率の高い北広島団地では元銭湯を活用した「地域交流ホームふれて」、そして平成24年に3月に閉校した緑陽小学校を活用し、平成26年4月に「地域サポートセンターともに」をオープンしました。「ともに」は、地域交流スペースの他にサービス付き高齢者住宅、グループホーム、居宅介護支援事業所など様々な福祉サービスの機能を兼ね備えています。また高齢者ばかりでなく、地域への開放も積極的に行っており、体育館の開放やグラウンド、キッズコーナー、授乳室、レストランも兼ね備えた施設になっています。
小学校は誰にとっても地域の馴染みの場所であり、子供から大人まで地域に暮らす人々が自分たちの場所と感じている方が多く、地域の人たちがこの事業の立ち上げと共に「市民スタッフの会」を結成し、主体的に活動をしてくれています。
向山講師は事業の立ち上げの際に住民の方々との打ち合わせを10回以上行い、一緒に工事現場を見学したり、アイデアを貰ったりという関わりをもったそうです。そういった関わりの中で住民のみなさんと気持ちを一緒にして進めたことが現在の状態につながっているものと思いました。向山講師は行政を頼ることなく、自分たちでやる気持ちがあれば大体なんでもできるんですよと仰っていました。
現在は「カフェ」や「ともに地域の運動会」や「地域の学芸会」などだれでも参加できる「地域」のイベントを企画しています。また認知症や障害の当事者、その家族が安心して過ごせる場所の提供「心結カフェ」を毎月1回オープンするなど、取り組みは多岐にわたります。地域の交流だけで終わるのではなく、「住民同士が支え合える地域」、「誰もが安心して暮らし続けられるまちづくり」を目指して現在も活動しています。
地域公開講座の後は、学生を対象とした職業体験会を開催、26名の中高大学、福祉専門学校の学生が参加しました。遠くは札幌や留寿都からも学生が来てくれました。職業体験会は、「介護の仕事を知る」と題して、年齢や経験値が様々な5名の職員によるパネルディスカッションを行いました。
パネルディスカッションでは最初にフルーツ・シャトーの紹介から始まり、介護の仕事についてはもちろんのこと、職場の環境や収入、休みの日はどのように過ごしているかなどプライベートなことなど、気になるけどあまり聞けないなと思うこともリアルなメッセージとして伝えました。
休日には、「愛車をピカピカにする」という若手の職員や「3人の子どもとの時間を大切にしている」というベテラン職員など、様々ですが介護職員のリアルな日常は伝わったかなと思います。
留寿都高校の生徒から中学生へ向けた学校紹介を行いました。
留寿都高校には介護福祉士の資格取得を目指すコースがあります。他にもどんな学科があるのかや、授業内容や学校の取組、行事や就職先についてなどの説明がありました。
中学生にとっては、将来の職業選択肢の一つが増え、未来がひろがったと思います。
私たちも介護の仕事に興味を持ってくれる若い人がどんどん増えてくれることを願っています。このほかにも一般の方々を対象とした職業紹介についての相談ブースを設けました。
職業体験会の最後は「ノーリフトケア(人にやさしい介護)」の体験会です。スライディングシートやたちアップ(移乗補助の福祉用具)の体験をしてもらいました。
フルーツ・シャトーでは、現在このスライディングシートやグローブを使用して、ノーリフトケア(持ち上げない介護)の実践をしています。実際ノーリフトケアで使用している福祉用具がスライディングシートです。これはベッド上などで対象者を移動する時に使用します。スライディングシートは筒状になっており、対象者の体の下に敷き、布同士を滑らせるように使用します。布同士の摩擦が非常に少なく、滑りやすい構造のため少ない力で対象者の移動が可能です。
体験会ではこのスライディングシートの体験を学生の皆さんにしていただきました。体験した学生からは「こんなに簡単にできるんですか」「魔法みたい」という声が聞かれました。体験を通して、従前の介護方法の変革や福祉の現場の取り組みを少しは伝えられたかなと感じています。