介護の魅力フェア~職場体験編~


五十嵐先生の地域公開講座の後、14時30分から学生を対象とした職場体験を行いました。今年は高校生7名と大学生3名の学生の皆さんが来てくれました。うれしい限りです!!

こちらの3つのコースをそれぞれ体験してもらいました。

1.ケア体験コース

ケア体験コースでは、利用者側の体験をしてみようというコースです。体験は高齢者になったつもりで着替えや車椅子への移乗、移動介助や排せつ介助、食事介助を受けてもらいました。

車いすへの移乗です。介助する方も緊張しますが、される方も変に体に力が入ります。人に何かをされるのは、やはりドキドキします。

車椅子に乗った後は着替えと排せつ介助です。ズボンの上からですが紙パンツを着用してもらい、介助を受けてもらいました。

 

最後は食事介助です。施設見学コースに参加していた学生も途中で合流しました。とろみのついた水分やごく刻み食やゼリー食の試食も併せて体験してもらいました。参加した大学生からは、「されてみて、介護される側の気持ちがわかった」「意外に楽しかった」などの意見がありました。

 

2.介護職員の就職体験コース

就職体験コースは援助員と一緒に動いて、リアルに様々な業務を体験してみようというコースです。このコースには3名の学生が参加してくれました。

最初に利用者の皆さんへ自己紹介です。

その後は、シーツ交換にチャレンジ。一緒にシーツ交換をしているのは北畠援助係長です。

そして利用者さんへの水分補給の介助です。担当の伊藤援助員からアドバイスを貰いながら頑張りました。

一緒に移乗介助にもチャレンジしました。体験した学生さんが「力任せにしない介護は技術が必要なんですね」と感想を話していました。

 

3.介護職員の仕事を知る・施設見学コース

施設見学をしながら和泉山相談員、桃野援助員、成田援助課長から仕事の内容を説明しました。平成3年に開設してからのフルーツ・シャトーのケアの歴史、個別ケアに変わっていった過程などの説明や施設案内する中で喫茶シャトランや居酒屋シャト八ができた経緯など、入居者のケアや暮らす環境を良くしていこうという取り組みを続けてきていることを説明しました。その中で援助員の仕事のやりがいなどをそれぞれが熱心に学生に伝えました。参加してくれた男子学生さんからは「少し前まで施設実習をしていました。実習した施設とも違い、ここの施設が様々な取り組みをしていることを知れてよかった」という声が聴かれました。

施設内の入浴設備の説明場面です。この後実際にどんな感じか入浴用椅子に座ってもらいました。

最後に参加してくれた学生全員で施設の食事を試食しました。メニューは鮭の塩焼き・酢の物・里芋の煮物・ご飯・みそ汁です。このメニューをそれぞれ常食・ごく刻み食・ゼリー食で食べてもらいました。常食は私たち健常者が普段食べている食事と変わりません。極刻み食は1㎝程度の大きさに刻んだもの。ゼリー食は文字の通りで、ゼリー状にした食事形態です。その他にごく刻み食のごぼうサラダ・鶏肉の塩こうじ焼き・らくらく食パンを皆で試食しました。「ご飯は想像していたよりもおいしかった。」「肉や魚の柔らかいものは、もっとおいしくないかと思ったけど、ちゃんと味がしておいしい」との声がありました。

今回の職業体験に参加してくれた学生の皆さんの中で少し介護のことが身近になってくれたらとてもうれしいです。

参加してくれた学生の皆さんありがとうございました。

介護の魅力フェア~地域公開講座編~


10月14日、「介護の魅力フェア in よいち」を開催致しました。地域の方々に福祉のことを知ってもらうことや将来の介護人材の確保を目的とし、今回で3回目となります。

地域公開講座には、入居者や入居者家族、地域住民の方、余市町や積丹町職員、民生委員の方々など約120人が参加されました。

一般社団法人北海道総合研究調査会 理事長 五十嵐智嘉子様より、「人口減少時代における共生のまちづくり」と題し、人口減少の進み方について、人口減や雇用減に苦しむ地方自治体の活性化を目ざす地方創生について、共生のまちづくりの事例などを紹介して頂きました。

人口減少の進み方や地方から大都市に人口が移り、地方の人口減少が深刻な状況、そして、今後は「人を呼び込む(仕事や移住など)」・「人を産み育てる(結婚・出産・育児のしやすい環境など)」・「人を支える(地域の連携など)」といったまちづくりが必要であるということを資料を使ってわかりやすく説明して頂きました。

そして、我が余市町についてもお話しがありました。人口は19,320人(平成29年9月末現在)。転出では15~24歳までの世代が多く、転入は25~29歳・60~64歳までが多く見られました。札幌や小樽に移り住む方が多いようです。

このように人口減少が進み、コミュニティや家族機能も低下しているが、様々な生活のリスクは複合化している。これからは個別ではなく、高齢者も障害者も児童も「みんなを取り込んで繋がり、それぞれの力を強め、交わって暮らすことが大切である」ということが強調されました。

また、実際に取り組みをしている「シェア金沢」を紹介。高齢者と学生の住まい、障害児入所施設と一般の方も利用できる温泉施設やバーなど通常店舗もあるコミュニティです。そこで皆が協力しあって生活している様子を紹介頂きました。特に印象深かったのは、高齢者と発達障害のある児童との交流のお話しです。囲碁では負けなしの児童がデイサービスに来ている高齢者との交流を通して、囲碁の真剣勝負となりました。結果、児童は負けてしまいましたが、その後「師匠」と高齢者を慕うようになり、高齢者はその後、子供たちの囲碁の先生をしたというお話しでした。そういった交流できる場所やきっかけがあり、それを生かすということが大切だと思いました。

色々な人が交わって生活するということは、単に人口減少して大変だから協力しあうというだけではなく、それぞれの力を強めることができるから交わる、そんな社会にしていきたいと強く思う内容でした。