11月18日、積丹町総合文化センターにて『専門職のための看取り研修会』を開催いたしました。昨年に引き続き積丹での研修会の開催は2回目となります。よいち福祉会の職員と近隣事業所の職員と合わせて32名の参加がありました。
今回の研修会のテーマは『看取り』です。全国の8割以上の特養が看取り介護を行っているそうですね。触れることの少ない話題ですが、特養では避けては通れない大事な課題です。
東京のNPO法人メイアイヘルプユーの理事 鳥海房枝様より、看取りについての講演の後、在宅、施設それぞれの現状報告を行い、その後に同じくメイアイヘルプユーの理事 川崎千鶴子様、葭田美智子様にファシリテーターとして参加していただき、グループワークを行いました。
鳥海様の講演では、「高齢者施設におけるターミナルケアの考え方とその実際」とのテーマで老いの見方、老化という状態の捉え方について教えていただきました。ターミナルの状態というのは、医療を施しても元の状態に戻れない状態であること。だから看取りケアは、その人が最期までその人らしく生き抜くことを支援するケア。決して逝くためのケアではないんだということを支援する人が理解していることが大切です。「看取り」は介護の仕事の醍醐味ではないかなと思ったりしています。
看取りケアは本人がどう望むかであって、決して家族が最期を決めることではない。どうしたいかという本人の思い、気持ちが最優先されることが大切。今までは施設でも利用者ご本人と自分の最期をどうしたいかということは話されていなかったという振り返りができました。看取りに対して職員と家族で取り組み、「家族と職員が一緒に考えて本人の代弁者になる」ことができたらとても理想的なケアに繋がると思います。
フルーツ・シャトーよいち 青塚援助係長の現状報告です。特養での26年度以降の看取りの実績や事例から学んだこと、看取りが終わった後の家族から聞き取った意見の内容を報告しました。
こちらは在宅部門、フルーツ・シャトーよいち訪問看護ステーション小倉管理者からの現状報告です。最近行った看取りの事例紹介から大事にしているケアや今後の課題などを報告してもらいました。
最後はグループワークです。テーマは「自分の親を看取るなら、自分が看取られるならどうしたいか」「地域や研修で看取りをするにはなにが必要か」という2つのテーマでグループワークを行いました。
自宅で最期を迎えたいという意見が圧倒的に多かったですね。意見の中には「自分はどうでもいいし何もしてくれなくていい。でも親のことを考えると何もせずにいられない。」という内容。あるグループからは、「自分は一人だから誰にも発見されずに近所に迷惑を掛けるかもしれない。それだけが心配。」という切実な意見もありました。研修後、帰宅してから家族と看取りについて話をしたという職員が一定数いたようで研修の効果があったのではと勝手に思っております。
講師の鳥海様、ファシリテーターの川崎様、葭田様ありがとうございました。