2月13日、初めてフルーツ・シャトーよいち家族会の企画で「家族とともに学ぶ会 終末医療・介護の勉強会」をフルーツホールにて行いました。終末期に受けられる医療や介護を知ることを目的に、特別養護老人ホーム・グループホーム入居者の家族、デイサービス利用者の家族、町内の民生委員、近隣の地域住民対象に呼びかけを行ったところ約120人の方々に参加いただくことが出来ました。
初めにフラワーグループの青塚佳奈援助係長から当施設の実践報告を行い、続いて「終末期ケア、緩和ケア 生活と医療と幸せ」と題して、余市協会病院で緩和ケアチームを先導し当施設の看取り介護を支援してくださっている森博威医師よりご講演頂きました。
司会の斉藤圭二家族会会長より、誰にでもいつか必ず訪れる終末期について、「どういう状態になっていくのか、そしてどう過ごしていくか、まずはどこで何ができるのか情報を知っておくことで、より良い選択が出来るのではないか、共に考えていきたい」と、お話がありました。
○特別養護老人ホームから実践報告
フラワーグループで27年5月から7月まで、100歳の入居者の看取り介護を行った実践を報告しました。「食事」、「排泄」、「清潔」、「介護の注意点」「家族との関わり」に分けて、退院直後から最期までの状態変化に合わせた援助内容を説明しました。青塚係長の「最期は感謝の気持ちで見送らせて頂きました。」という話しには、涙をぬぐいながら聞いてくださったご家族もおりました。
○森先生の講演
人生の最期は「治せない病気があること、歩けないこと、食べられなくなること、眠る時間が長くなること」。その最期をどこで迎えるのか、病院・施設・自宅で出来ることやメリット・デメリットがあることを説明し、その上で「何を大事に思うか。苦痛がないことが一番大事である。苦しいときは病院で過ごし治せる病気は治したほうが良い」ということを強調しました。
講演の後は会場から率直な意見や質問が活発に出されました。
「自分の家族は高齢だから延命治療は望まないと考えている」という意見から何が延命治療と言われているのか、胃ろうの話しとなり、胃ろう造設の選択をしたというご家族より「もう食べることが出来ないと言われても家族だから、「もういいです」とは言えない。出来ることはしてあげたい。望みを捨てたくなく胃ろうを選択した。現在は元気になって穏やかに過ごしている。でもやっぱり何か少しでも食べさせたり飲ませたりしたいと思う。」との思いを話して頂きました。森医師からは「胃ろう造設について昔は当たり前のように造設した時代から近年は延命目的で胃ろうを造設する人は少なくなりました。しかし、胃ろうは造設しないほうが良いという単純な話しではなくケースバイケースです。何か飲んだり食べたりさせたい場合は言語療法士と相談してみましょう。」とコメントがありました。
このように活発な質問や感想が寄せられ、参加者はメモをとって熱心に聞いていた方も多く見られました。講師の方々、参加頂いた方々、ありがとうございました。